住まいをつくる 玄関編:扉を開けて初めに出会うインテリア
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広さに応じて”魅せ場”をつくる
玄関をリフォームする場合、 収納力アップや段差解消、セキュリティ性能向上などの機能面を求めて行うことが多いですね。そうは言っても忘れてはならないのが、前回の新築注文住宅コラム(前回の記事にリンク)でも紹介したように、「玄関は、その家の雰囲気やインテリア性が最初に伝わる大事な空間」であることです。今回は間取りを大きく変えずに玄関の印象をアップさせる “収納スペースと魅せ場づくり”についてご紹介します。
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少しでも広く、そして清潔感があると良いですね。それに加えて、インテリアとしての工夫ができたら、お客様を呼びたくなり、キレイを保つことになり…の好循環が生まれます。
SIC(シューズインクローゼット)や玄関近くに納戸がない場合、リフォームで収納を容量たっぷりの大きめサイズにしようと思いがち。でも本当にそんなに必要ですか?残念ながら収納を大きくした分だけモノが増え、必要なモノが見つけにくくなります。まずは、増えた分の靴を減らしたり、自室へ移動したり…とすると、見える範囲で収納でき、モノが増えにくくスッキリします。
玄関収納は適度な大きさにして、そのまわりにはちょっとした空きスペースを作ると良いです。収納を床から浮かせれば土間が広く見えたり、すぐに収納したくない靴を仮置きしたり、傘たてを置けたり。収納を上下に分ければ、ちょっとした装飾スペースもとれますね。また、玄関ホールが少しでもあるのなら、アートを飾ったり、デザイン性の高い家具を置いたりするのもオススメです。
収納とディスプレイスペースを兼ねた玄関収納
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事例1:壁一面の圧迫感ある玄関収納を、“魅せ場”のあるスッキリ収納へ
事例1はホールの壁一面、床から天井まで木目柄の扉がついた玄関収納だったものを、中央の腰高サイズ収納の左右に背の高いトールタイプ収納を設置したもの。元々手前はコート掛け収納で、コートは各自の部屋に引き取ってもらい問題ナシ。それどころかクロークに合わせていた収納の奥行も薄くなり、ちょっとしたニッチスペースも!そこにアクセントクロスと内装タイル建材(エコカラット)、ミニダウンライトを設置したことで、既製収納を組み合わせたとは思えない、オリジナル玄関収納になりました。
扉面材は白の鏡面にすることで、光を反射してホール全体が明るく広い印象に。リフォーム前とは逆に、床材を濃い色にすることで、玄関収納とのコントラストがはっきりしてモダンな印象に生まれ変わりました。小さなお子さんなどがいると汚れがちな玄関廻り。床材を濃い目にして、収納扉を拭き取りやすい素材にするのも良いでしょう。
壁やドア、窓でデザインする
玄関ホールと呼べるほどのスペースはなく、居室へのドアに囲まれた空間の場合、玄関に立って正面の壁にピクチャーレールとスポットライトを設置すれば、壁がギャラリースペースに。メインとなるドアに色を付けたり、デザインや取っ手などにこだわれば、ドア自体がアートになるかもしれません(事例2)。
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気軽に楽しめるカフェカーテン
他にも、大好きな色柄のアクセントクロスを貼ってみたり、ベースのクロスに少し色を入れて開口部の枠を目立たせてみたり…(事例3)。窓があるなら、ぜひカーテンを。リビングのカーテンとお揃いで小窓用にデザインしたカフェカーテンを掛ければ、家の雰囲気が伝わりやすくなります(事例4)。限られたスペースで大切なのは、色々な要素を盛り込みすぎないこと。「さり気なさ」もあなたの家の個性になりますよ。
最後に
玄関は家のニオイも感じる場所。消臭・調湿効果、デザイン性もある上、施工が容易なため、リフォームではエコカラットが人気ですが、それ以外にも、現在のたたき部分に上貼りできる抗菌フロアタイル、防汚・抗ウイルス・消臭などの機能性クロスなどがあります。コロナ禍を経て性能だけでなくデザイン性も良くなっているので、玄関をディスプレイスペースとして、素敵に彩ってみてはいかがでしょうか。
written by IC21