住まいをつくる LDK+1編:住宅スペースの“伸びしろ”スペース
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LDKプラス隣接部屋を活用しましょう
LDKのリフォーム依頼では、汚れが目立つようになってきた内装を新しくする以外に、独立キッチンをオープンにするLDKへの変更(関連コラム)、個室や廊下、外構の一部なども取り込んで広くしたい…といったご依頼が多いように思います。また、LDKにワークスペースや家事コーナーなどちょっとしたコーナーが作れたら…という声もよく聞きます。単純にスペースを広げるのではなく、家族とのつながりがある空間で、それぞれのやりたいことが出来るLDKが主流ということなのでしょう。
そこで、最近、耳にすることも増えてきた「フレキシブルルーム」についてご紹介します。
これは、可変性のある個室の“通称”で、幾つかの用途を持たせた1つの部屋。将来的に使い道の変更が簡単であることも人気の理由でしょう。
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特に一般的なのは、LDKと隣接する洋室を引戸で間仕切って、開放すれば広々LDKれていますね。 マンションなどでは少し前まではLDKと戸襖で仕切った和室が多かったのですが、リフォームの際に、さらに可変性に応じやすい洋室仕様にすることが多くなってきました。
可変性のある空間=日本の限りある住宅内のスペースでオリジナリティを求める…そんな時代のニーズに合っているということだと思います。
引き戸で間仕切るもう一つのLDK
一口に引戸といっても、扉の素材で木製やガラス・アクリル製などがある以外に、扉の枚数の違い、片引き戸や引き分け戸など開き方まで様々あります。
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その中で、LDK隣接のフレキシブルルームで人気なのが事例1のようなアルミフレーム+半透明ガラス(アクリルパネル)の引戸。採光は共有しつつも、部屋が丸見えにならずシルエットがわかる程度であることで部屋を明るく広く見せることができます。
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ただし後々、個室で使うことが必須であれば、やはりシルエットすら通さない木の建具の方がプライベート確保の面で適していますね。
開き方については、なるべく開放感があるようにということで、事例2のように集まった扉を方向転換して壁と同化させることで、解放感をさらにUPさせるものもあります。LDKとの一体感という点でいえば、床埋込みレールのない吊戸タイプの方がすっきりとしますが、扉の揺れや音漏れなどには注意が必要です。
室内窓でLDKとつながる空間
LDKの隣接部屋との間仕切りで、今とても注目を集めているのが室内窓と言えるでしょう。
引戸ほどの開放感はありませんが、窓の高さによっては個室としてのプライベート性を高めることができ、テーブル(デスク)高さ以上に設置すれば壁に沿わせて置きたい家具の配置にも困らずに済みますね。窓を開けるタイプもあるので、換気や冷暖房の共有もでき、そして何より、デザインの面で何もない壁に比べて機能的でおしゃれなアクセントになります。
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こちら(事例3)のブラックスチールの窓枠はカフェ感演出にも一躍買っていますね。
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今はワークスペースとして活用し、後々お嬢さんの個室にする予定でLDK隣接部屋をリフォームした事例4のお客様は、将来の個室用に窓枠上にカーテンレールが付けられるよう下地をいれてあります。
白い木製枠が壁に溶け込み女の子のお部屋になってもかわいらしくなりそうですね。
これらのように、LDKと隣接部屋の間仕切り方を工夫すれば、LDKは広く、個室はフレキシブルルームとして、家族とのゆるやかな距離感でつながる素敵な空間が生まれることでしょう。