住宅エコリフォーム推進事業の最新情報|お得にリフォームする方法を一挙公開!

リフォームを検討している人は、住宅エコリフォーム推進事業をはじめとする行政の制度を確認しておきましょう。条件に合う施工を行うことで、費用を補助してもらえることがあります。どのような制度があるのかを紹介します。
住宅エコリフォーム推進事業とは?
カーボンニュートラルの実現に向けて、リフォームへの補助金事業が注目されています。「住宅エコリフォーム推進事業」は、既存住宅の省エネ化リフォーム推進を目的とした国の取り組みです。令和6年度以降の募集は行われていませんが、再実施に備えて知識を深めておきましょう。
住宅エコリフォーム推進事業の概要や対象となる工事・利用条件を紹介します。また、補助金を受け取るまでの流れについても解説しますので、リフォームを検討している方は参考にしてください。
住宅エコリフォーム推進事業の概要
住宅エコリフォーム推進事業について国土交通省の公式サイトでは、次のように記載しています。
”カーボンニュートラルの実現に向け、住宅ストックの省エネ化を推進するため、住宅をZEHレベルの高い省エネ性能へ改修する取り組みに対して、期限を区切って国が直接支援を行う。”
引用:「令和5年『住宅エコリフォーム推進事業』の募集を開始します!」(国土交通省)
かつて、日本の住宅は「夏は暑くて、冬は寒い」というのが当たり前でした。日本の住宅は断熱性・気密性が低く、家の中がこんなに寒くて暑いのは日本だけというほどです。さらに、室内の寒暖差によるヒートショックも問題視されています。
このような背景とカーボンニュートラル実現に向けた取り組みから、住宅エコリフォーム推進事業は始まりました。環境と人に優しい家づくりの意識を高めて、「夏は涼しく、冬は暖かい家」を目指しましょう。
補助対象となる工事と利用条件
住宅エコリフォームの補助対象となるものには、次のものがあります。
省エネ診断
既存住宅を省エネ化する際、現在の家族構成やライフスタイルから光熱費、CO2排出量が適正かどうかを診断します。通常、第三者機関に依頼すると調査費用がかかりますが、住宅エコリフォーム推進事業の補助対象となります。
省エネ設計
既存住宅の省エネリフォームを行うには、調査・設計・計画が必要です。住宅エコリフォームでは、調査・設計・計画にかかる費用も補助の対象になります。改修設計の内容について第三者機関に評価を依頼する場合は、その費用も補助金の対象です。
省エネ改修
省エネ改修は、既存住宅の建て替え、全体改修、または部分的な改修工事が対象になります。ただし、建て替え、全体改修はZEH水準にすることが必須条件です。部分的な改修工事は開口部でZEH水準を満たすことが必須条件で、具体的な工事内容は次の通りです。
- 開口部の断熱改修
- 駆体の断熱改修
- 省エネ効果の高い住宅設備の導入
「省エネ効果の高い住宅設備の導入」の対象商品は、次のものを参考にしてください。
- 太陽光熱利用システム
- 電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯器(ハイブリッド給湯器)
- ヒートポンプ給湯器(エコキュート)
- 潜熱回収型石油給湯器(エコフィール)
- 潜熱回収型ガス給湯器(エコジョーズ)
- 浴室シャワー水栓
- 高断熱浴槽
- 燃料電池システム(エネファーム)
- 蓄電池
- LED照明
補助対象になる設備には変更になることがあります。詳しくは、「住宅省エネ2025キャンペーンについて」をご確認ください。
補助上限金額
住宅エコリフォーム推進事業の補助上限金額は、次の通りです。
- 省エネ診断の補助率:1/3
- 省エネ改修費用の4割が限度(上限35万円/戸)
参考:「令和5年度住宅エコリフォーム推進事業」(国土交通省)
先述した通り、令和6年度は住宅エコリフォーム推進事業の新規募集は行いませんが、省エネ住宅が対象の補助金事業として「住宅省エネ2025キャンペーン」が行われています。新築住宅だけでなく、リフォームも対象になっていますのでぜひ確認しておきましょう。
申請手続きと補助金を受け取るまでの流れ
補助金を活用するには、申請から受け取りまでの流れを正しく理解しておくことが大切です。ここでは、一般的な補助制度をもとに、手続きの流れを4つのステップに分けて紹介します。
- ステップ1:対象工事の内容とリフォーム計画の検討
- ステップ2:リフォーム業者選びと必要書類の準備
- ステップ3:事前申請の提出と審査
- ステップ4:リフォームの実施と補助金の受け取り
リフォーム工事をスムーズに進めるためにも、事前に全体像を把握しておきましょう。
ステップ1:対象工事の内容とリフォーム計画の検討
自宅で予定しているリフォーム工事が、補助金の対象になるかを確認しましょう。国の制度や自治体ごとに対象となる工事内容が異なるため、公式サイトなどで最新情報をチェックすることが重要です。対象となる制度が見つかったら、どの箇所をどのように工事するのか、使用する設備や素材の選定など、具体的なリフォーム計画を立てていきます。
ステップ2:リフォーム業者選びと必要書類の準備
補助金の申請には、見積書や設備の性能証明書など、専門的な書類が数多く必要になります。補助金制度に精通しており、申請に慣れているリフォーム業者を選ぶことで、スムーズに準備を進めることができます。また、制度によっては、あらかじめ登録された「登録事業者」でなければ申請ができない場合もあるため、その点も必ず確認しましょう。
ステップ3:事前申請の提出と審査
リフォーム工事を開始する前に、補助金の「事前申請」が必要です。この申請は多くの場合、リフォーム業者が代行してくれますが、内容に誤りがないかを施主自身も確認しておくことが大切です。申請が受理された後に審査が行われ、書類の不備や工事内容の適格性がチェックされます。交付決定通知を受け取るまでは工事を始められないため、着工のタイミングには十分注意しましょう。
ステップ4:リフォームの実施と補助金の受け取り
交付決定通知を受けたら、リフォーム工事に着手します。工事中は、施工前後の写真を撮影したり、使用設備の型番などを記録したりと、完了報告に必要な情報を整理しておくことが重要です。工事が完了した後には、業者と連携して完了報告書を作成・提出します。報告内容に問題がなければ、補助金が指定口座に振り込まれます。補助金は基本的に後払いとなっており、振り込みまでには制度や自治体によって異なりますが、概ね1〜2か月程度かかるのが一般的です。
住宅エコリフォーム推進事業のほかに利用できる補助金制度

リフォームで使用できる補助金は、住宅エコリフォーム推進事業以外にも以下のようなものがあります。
- 子育てグリーン住宅支援事業
- 先進的窓リノベ2025事業
- 給湯省エネ2025事業
- ZEH補助金
それぞれの概要や工事内容、補助金額について解説します。
子育てグリーン住宅支援事業
子育てエコリフォーム支援事業が2024年に終了し、後続事業にあたる「子育てグリーン住宅支援事業」が2025年スタートします。「子育て」という名称から、子育て世帯向けと思われがちですが、実はすべての世帯が対象です。
子育てグリーン住宅支援事業は、物価高騰の影響を受けやすい子育て世帯や若者世帯を中心に、省エネ住宅の新築費用や、既存住宅の省エネ化をサポートすることを目的としています。下表では、対象内容と補助金額、補助金申請の受付期間をまとめました。
対象内容と補助金額 | 【対象となるリフォーム(必須工事)】 1 窓や玄関などの開口部の断熱 2 外壁、屋根、天井、床などの躯体部分の断熱 3 エコ住宅設備の設置 |
【対象となるリフォーム(任意工事)】 1 子育て対応改修 2 防災性向上改修 3 バリアフリー改修 4 空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置 5 リフォーム瑕疵保険等への加入 | |
【補助金額】 必須工事を3つ全部行う場合:上限60万円/戸 必須工事を2つ以上行う場合:上限40万円/戸 ※対象のリフォームに応じた金額を定額で補助。補助金額の合計が5万円未満の場合は補助の対象外 | |
補助金申請の受付期間 | ● 対象工事の着手期間:2024年11月22日以降に着手 ● 交付申請期間:申請開始~予算上限に達するまで(遅くとも2025年12月31日まで) ● 交付申請の予約期間:申請開始~予算上限に達するまで(遅くとも2025年11月14日まで) |
公式ウェブサイト | https://kosodate-green.mlit.go.jp/ |
子育てグリーン住宅支援事業は、必須工事を2つ以上行うことで補助金を受け取ることができます。ただし、一部の住宅では対象外になるケースもあるため注意が必要です。詳しくは、「子育てグリーン住宅支援事業」公式ウェブサイトをご確認ください。
先進的窓リノベ2025事業
先進的窓リノベ2025事業は、既存住宅の窓ガラスや玄関ドアの省エネ化を図り、住まいの快適性とエネルギー消費を軽減することを目的としています。下表では、先進的窓リノベ2025事業の対象内容と補助金額、補助金申請の受付期間をまとめました。
対象内容と補助金額 | 【対象となるリフォーム】 ● 内窓設置 ● 窓ガラス交換 ● 外窓交換(カバー工法) ● 外窓交換(はつり工法) ● ドア交換(カバー工法) ● ドア交換(はつり工法) |
【補助金額】 一世帯あたり200万円を上限とする ※工事内容・窓のサイズ、リフォーム後の断熱グレード・住宅タイプによって異なる。補助金額の合計が5万円未満の場合は補助の対象外 | |
補助金申請の受付期間 | ● 工事着手期間:2024年11月22日~予算上限に達するまで(遅くとも2025年12月31日まで) ● 交付申請の予約受付期間:申請受付開始~予算上限に達するまで(遅くとも2025年11月14日まで) |
公式ウェブサイト | https://window-renovation2025.env.go.jp/ |
先進的窓リノベ2025事業は、一戸あたり最大200万円まで補助金を受け取ることができます。窓の断熱と同時に、玄関ドアのリフォームを行うと玄関ドアも補助金の対象となる可能性があります。お得にリフォームするために、事前に対象内容をよく確認しておきましょう。詳しくは、「先進的窓リノベ2025事業」公式ウェブサイトをご確認ください。
給湯省エネ2025事業
給湯省エネ2025事業は家庭の省エネ化を促進するため、高効率給湯器の導入をサポートする事業です。2025年も引き続き実施されることが決定したため、給湯器の寿命や交換を検討している方にとっては朗報といえるでしょう。下表では、対象内容と補助金額、補助金申請の受付期間をまとめました。
対象内容と補助金額 | 【対象となるリフォーム】 ● ヒートポンプ給湯器(エコキュート) ● 電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用給湯器(ハイブリッド給湯器) ● 家庭用燃料電池(エネファーム) |
【補助金額】 6万~20万円/台 戸建て住宅:いずれか2台まで 共同住宅:いずれか1台まで | |
補助金申請の受付期間 | 工事着手期間:2024年11月22日以降 交付申請期間:申請開始~予算上限に達するまで(遅くとも2025年12月31日まで) 交付申請の予約期間:申請開始~予算上限に達するまで(遅くとも2025年11月14日まで) |
公式ウェブサイト | https://kyutou-shoene2025.meti.go.jp/ |
補助金を受けるためには、対象条件と合わせてリフォーム内容の条件を満たす必要があります。以下に該当する場合、補助対象とならないため注意が必要です。
- 中古品、またはメーカー保証の対象外である機器
- 店舗併用住宅に設置するもので、専ら店舗等で利用する機器
- 従前より省エネ性能が下がる機器 など
詳しくは、「給湯省エネ2025事業」公式ウェブサイトをご確認ください。
ZEH補助金
健康で快適な暮らしを実現するために、国はZEH住宅の普及を進めています。そもそもZEHとは、「net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略で、簡単にいうと「エネルギー消費量ゼロ以下を目指した家」のことです。ZEH補助金は、2014年に閣議決定された「エネルギー基本計画」から開始され、令和7年度の予算も発表されています。そのため令和7年度も実施予定ではあるものの、補助金の詳細についてはまだ発表されていません(令和7年4月8日時点)。例年5月に発表されているため、今年度も5月になる可能性が高いでしょう。ちなみに、2024年ZEH補助金は以下の内容でした。
● ZEH(断熱等級5+高効率設備+太陽光発電):55万円/戸
● ZEH+(断熱等級6+ハイグレード仕様):90万円/戸
● ZEHもしくはZEH+に加えて、蓄電システム、低炭素化素材または再エネ熱利用:上限20万円/台
● ZEH+(断熱等級6+ハイグレード仕様)に高度エネマネ、おひさまエコキュート、EV充電設備を導入:高度エネマネ定額2万円/戸等
参考:「戸建て住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業」(経済産業省・国土交通省連携事業)
2025年の事業スケジュールはまだ公表されていませんが、類似した内容になる可能性も高いと考えられます。リフォーム予定している方は、今後のスケジュールに注目しておきましょう。
まだまだある!お得にエコリフォームする方法
ここまで国主体の補助金制度について解説してきましたが、他にもお得にリフォームする方法はあります。リフォームを予定している方は、以下の方法も検討してみましょう。
- 自治体の補助金・助成金を活用する
- 住宅ローン減税を利用する
- リフォーム会社に相談する
項目ごとに解説します。
自治体の補助金・助成金を活用する
ここまで紹介した補助金は、「国」が主体となっていますが、実はリフォームの助成金には「自治体」が行っている制度もあります。中には、国の補助金と自治体の補助金が併用できる場合は、さらにお得にリフォームできるかもしれません。
なお、自治体の補助金・助成金は、インターネットや市役所の窓口で確認できます。以下のサイトでは、お住まいの地域で実施しているリフォーム支援制度を見つけることができるので、ぜひご活用ください。
一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会:地方公共団における住宅リフォームに係る支援制度検索サイト
住宅ローン減税を利用する
住宅ローンを利用して増築・改築などのリフォーム工事を行うと、住宅ローン減税の対象となります。具体的には、住宅ローン残高0.7%の所得税控除を10年間受けられます。ただし、住宅ローン減税を利用するには、対象となるリフォーム工事に該当すること、利用要件を満たすことが条件です。
また、耐久性を向上させるリフォームは、長期優良住宅の認定を受けることで以下の優遇措置を受けられる可能性があります。
● 所得税額の控除
● 固定資産税の減税措置
● 贈与税の非課税措置
● 登録免許税の特例措置
● 不動産取得税の特例措置
長期優良住宅化リフォームは、特定の省エネ改修工事とあわせて耐久性向上改修工事を行うことが条件です。このとき、5年以上の住宅ローンを組んでいれば所得税の減税を受けられます。
リフォーム会社に相談する
リフォーム会社に相談すれば、予算内でリフォームする方法を相談できます。たとえば、その家に適した設備や建具の導入、家族構成やライフスタイルに合わせたリフォームの提案など、具体的なアドバイスを受けられるでしょう。ただし、リフォーム会社によって工事費や諸経費、製品本体の割引率などが異なるため、同じ工事内容でも価格差が出ることがあります。リフォーム会社に相談するときは1社だけではなく、3~4社から見積もりを取ることをおすすめします。
小田急ハウジングは「住宅省エネ2025キャンペーンについて」の登録事業者です。お気軽にご相談ください。